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アメリカ合衆国大統領選挙(アメリカがっしゅうこくだいとうりょうせんきょ the U.S. Presidential Election)は、アメリカ合衆国大統領を選出するための選挙。同選挙は、具体的には数次のプロセスに分かれているが、通常は、予備選挙を含めた一連の手続を総称していう。
各年次の大統領選挙に関する詳細は、末尾のテンプレート、または結果の表の「年」の列からリンクされている個別の記事を参照。
選挙の規定
大統領と副大統領の任期
大統領選挙はアメリカ合衆国憲法第2条の第1節、修正第12条、同第22条および同第23条に規定される。大統領および副大統領は4年の任期を務める。
選挙権と被選挙権
大統領選挙の選挙権は、米国生まれの米国国籍もしくは米国国籍を得た帰化移民http://immigration.about.com/od/immigrationlawandpolicy/f/Elctns_Elgblty.htmで18歳以上であることと、それに加えて通常、選挙人登録を行っていることが要件となる。被選挙権は、35歳以上であること、合衆国内で生まれた合衆国市民(合衆国市民である両親の子供であれば合衆国外で生まれてもかまわない)であって、14年以上合衆国内に住んでいることが要件である。この規定に関してオーストリア生まれのため現行法では大統領選挙の立候補資格がないアーノルド・シュワルツェネッガーカリフォルニア州知事が、「合衆国内生まれ」という項目を撤廃するよう求めている。ただ、本要件は合衆国憲法上の要件であるため、改正のためには、憲法の修正が必要である。
この他、多くの州では、二大政党(民主党と共和党)以外の立候補に一定数の有権者による署名を必要としている。そのため、二大政党以外の候補者にとって立候補のハードルは高い。第三党の候補者は、署名が揃わず、一部の州でしか立候補できない事例が多い。
2008年アメリカ合衆国大統領選挙の事例では、二大政党以外の候補者で全州で立候補できた者はなく、ほぼ全国規模で立候補したのはリバタリアン党のボブ・バー(47州)、無所属のラルフ・ネーダー(41州+ワシントンD.C.)、アメリカ立憲党のチャック・ボールドウィン(40州)、アメリカ緑の党のシンシア・マッキニー(35州+ワシントンD.C.)となっている。
選挙方法と最終決定
有権者は一般投票日に大統領候補者に直接票を投じるが、この投票結果によりそのまま大統領が選任されるわけではなく、各州で他の候補者より1票でも多くの票を獲得した候補者がその候補者を支持している全選挙人、選挙人団 (Electoral College) を獲得する。全州で獲得した選挙人の数を合計し、獲得総数が多い候補者が勝利する。また、有権者が票を投じるのは「大統領候補および副大統領候補」に対してではなく、「大統領候補と副大統領候補がペアになった候補」に対してである。したがって、大統領候補が当選すれば、その副大統領候補も大統領候補とまったく同じ得票で支持された「当選者」となる。このように、固有の職務をになう複数の候補が組み合わせとして単一投票の候補者となっていることを、チケット (ticket) という。通常、副大統領候補には大統領候補とは支持基盤・政策・キャラクターなどが異なる人物が選ばれ、大統領候補の弱点を補完することに努める。
各州から選出される選挙人の数は、その州の上院と下院の議員数に等しい人数と決められている。上院議員は各州から2名ずつ、下院議員は州の人口に基づいて決められる。人口は10年毎に行われる国勢調査のデータを使用する。カリフォルニア州から選出される下院議員が最多の53名であることから、選挙人の人数も最も多く55人となる。アラスカ州など下院議員の選出数の最も少ない州は3人の選挙人を選出することとなる。首都ワシントンD.C.は上下両院に議席を持たないが、3名の選挙人が選出される。
多くの州で、選挙人団は、最も人気のあった大統領、副大統領候補ペアへの投票を行う人々から構成される。ネブラスカ州とメイン州では、各ペアに対する支持率を反映させて、異なるペアへ投票する選挙人団を組む。
選挙人は、選ばれる前に約束した候補者に票を入れる義務は、憲法や連邦法レベルでは存在しない。州レベルではそのように義務づけているケースもある。
直接選挙を行った場合、人口の多い都市部に選挙活動が集中し、政策もその地域の有権者の意見を反映するものが選ばれることになり、人口密度の低い地域の有権者には不利になることが予想できる。これも現在のような制度が維持されている理由と考えられる。しかし、一般には建国当初の、各候補者の政見などの情報伝達も交通手段も著しく貧弱であった時代に発案された「信頼できる人を選んでみんなの代わりに首都に行って大統領を選んでもらおう」という旧習が、最大の国家行事といえるがゆえに改変されることなく生き残っていると考えるのが妥当であろう。また、ほとんどの州が選挙人の「勝者総取り方式 ("plurality voting system"または、"Winner takes all")」を採用していることを考えると、大統領は国民が選ぶというより州が選ぶといった色彩が強く、「大統領は、本来独立している諸州のまとめ役たる連邦行政府の長」という建国当時の思想を反映しているとも言える。その選挙人勝者総取り方式を採用するかでさえ、各州の独自の判断にまかされている。
また、有権者の投票数の比が直接反映される制度ではないため、総投票数の高い候補者が、選挙人団を介した選挙では選出されないことになる可能性がある。(→2000年アメリカ合衆国大統領選挙)
投票日
有権者が大統領候補者に票を投じる「一般投票」は、4年ごとに11月の第1月曜日の翌日(11月2日 - 8日のうちの火曜日)に行われる。その後12月の第2水曜日の次の月曜日(12月13日 - 19日のうちの月曜日)に、各州で選挙人団が集会し「選挙人投票」が行われるこの日は「選挙人投票」の他に、上院の定数1/3の議席(33議席以上)と下院の全議席(435議席)の改選、およびいくつかの州では州知事選挙も同時に行われる。。選挙人による投票は1回のみである。どの候補者も全選挙人の過半数の票を獲得できなかった場合、大統領は大統領候補の高得票者3名以下の中から下院が、副大統領は副大統領候補の高得票者2名から上院が選出する。下院での投票は通常の議決と異なり、選出州ごとに議員団として投票し、各議員団は議員数に関わらず1票を有する。議会による投票で選出された者として、大統領としてはアダムズ(1825-1829年)、副大統領としては、ジョンソン(1837-1841年)がいる。
大統領選挙人
大統領選挙人は、各州から上下両院議員と同数が選ばれる。ワシントンD.C.は上下両院に議席を持たないが、3名の選挙人が選出される。2004年の選挙では、選挙人数は538人。選挙人の配分方式は州によって異なるが、大半の州は一般投票での勝者が選挙人を独占する「勝者総取り方式」(plurality voting system; Winner takes all) を採用している。現在ほとんどの一般投票有権者はあらかじめ投票先候補者を誓約している代議員団に対して投票する。そのため事実上、選挙人が投票する候補者は一般投票によって決まる1963年大統領継承法(英語)は一般選挙の勝者として選挙運営者の確認を得た大統領候補を「プレジデント・イレクト」(President-Elect、「大統領当選者」)と規定し、次期大統領としての活動のためのオフィスやスタッフの給与等を公費で賄うべきことを定めている。。しかし、連邦法および合衆国憲法では選挙人が誓約に従って投票するよう義務付けているわけではなく(一部の州では州法によって義務付けている)、選挙人は一般投票と異なる候補者に投票することも可能である。ただし、選挙人が一般投票の結果とは異なった投票を行った例は数の上で極めて少なく、現在の選挙の慣行が形成されて以来、誓約に反した投票が当選者決定に影響を及ぼした例は無い。
大統領選挙人の例外
2004年11月3日現在、ネブラスカ州とメーン州は「比例割当方式」を採用している。コロラド州は「勝者総取り方式」だが、2004年の選挙と同時に行われる住民投票の結果次第で「比例割当方式」に変わる可能性があったものの、結局、2004年は住民投票により否決された。
結果
| 1789 | ジョージ・ワシントン | ||
| 1792 | |||
| 1796 | ジョン・アダムズ(連邦党) | トーマス・ジェファーソン(民主共和党) | |
| 1800 | トーマス・ジェファーソン(民主共和党) | ||
| 1804 | チャールズ・ピンクニー(連邦党) | ||
| 1808 | ジェームズ・マディスン(民主共和党) | ||
| 1812 | デウィット・クリントン(連邦党) | ||
| 1816 | ジェームズ・モンロー(民主共和党) | ルーファス・キング(連邦党) | |
| 1820 | |||
| 1824 | ジョン・クィンシー・アダムズ‡(民主共和党) | アンドリュー・ジャクソン‡ (民主共和党) ウィリアム・クロウフォード (民主共和党) ヘンリー・クレイ (民主共和党) | |
| 1828 | 民主党) | 国民共和党) | |
| 1832 | ウィリアム・ワート(反メイソン党) | ||
| 1836 | マーティン・ヴァンビューレン(民主党) | ウィリアム・ハリソン (ホイッグ党) ヒュー・ホワイト(ホイッグ党) ダニエル・ウェブスター(ホイッグ党) ウィリー・マンガム (ホイッグ党) | |
| 1840 | ジェームズ・バーニー(アメリカ自由党) | ||
| 1844 | ジェームズ・ポーク†(民主党) | ヘンリー・クレイ(ホイッグ党) ジェームズ・バーニー(アメリカ自由党) | |
| 1848 | ザカリー・テイラー(ホイッグ党) | ルイス・カス (民主党) マーティン・ヴァンビューレン(自由土地党) | |
| 1852 | フランクリン・ピアース (民主党) | ウィンフィールド・スコット(ホイッグ党) ジョン・ヘイル(自由土地党) | |
| 1856 | ジェームズ・ブキャナン† (民主党) | ジョン・フレモント(共和党) ミラード・フィルモア(ノーナッシング党/ホイッグ党) | |
| 1860 | エイブラハム・リンカーン†(共和党) | スティーブン・ダグラス (民主党 (北部)) ジョン・ブレッキンリッジ(民主党 (南部)) ジョン・ベル (立憲連合党) | |
| 1864 | ジョージ・マクレラン(民主党) | ||
| 1868 | ユリシーズ・グラント(共和党) | ホレイショ・シーモア(民主党) | |
| 1872 | ホレス・グリーリー (民主党/自由民主主義者) トーマス・ヘンドリックス(独立民主主義者) | ||
| 1876 | ラザフォード・ヘイズ‡(共和党) | サミュエル・ティルデン‡(民主党) | |
| 1880 | ジェームズ・ガーフィールド†(共和党) | ウィンフィールド・ハンコック(民主党) ジェームズ・ウィーバー(グリーンバック党) | |
| 1884 | グロバー・クリーブランド†(民主党) | ジェイムズ・G・ブレイン(共和党) | |
| 1888 | ベンジャミン・ハリソン‡(共和党) | グロバー・クリーブランド‡(民主党) クリントン・フィスク(アメリカ禁酒党) | |
| 1892 | グロバー・クリーブランド† (民主党) | ベンジャミン・ハリソン(共和党) ジェームズ・ウィーバー(アメリカ人民党) ジェームズ・ビッドウェル(アメリカ禁酒党) | |
| 1896 | ウィリアム・マッキンリー(共和党) | ウィリアム・ブライアン (民主党/アメリカ人民党) | |
| 1900 | ジョン・ウリー (アメリカ禁酒党) | ||
| 1904 | セオドア・ルーズベルト(共和党) | アルトン・パーカー (民主党) ユージーン・デブス(アメリカ社会党) サイラス・スワロー (アメリカ禁酒党) | |
| 1908 | ウィリアム・タフト(共和党) | ウィリアム・ブライアン (民主党) ユージーン・デブス(アメリカ社会党) ユージーン・チャフィン (アメリカ禁酒党) | |
| 1912 | ウッドロウ・ウィルソン†(民主党) | セオドア・ルーズベルト(アメリカ進歩党) ウィリアム・タフト(共和党) ユージーン・デブス(アメリカ社会党) ユージーン・チャフィン(アメリカ禁酒党) | |
| 1916 | チャールズ・ヒューズ(共和党) アラン・ベンソン (アメリカ社会党) フランク・ハンリー (アメリカ禁酒党) | ||
| 1920 | ウオレン・ハーディング(共和党) | ジェイムズ・コックス (民主党) ユージーン・デブス (アメリカ社会党) | |
| 1924 | カルヴァン・クーリッジ(共和党) | ジョン・W・デイビス (民主党) ロバート・ラフォレット (アメリカ進歩党/アメリカ社会党) | |
| 1928 | ハーバート・フーヴァー(共和党) | アル・スミス (民主党) | |
| 1932 | フランクリン・ルーズベルト (民主党) | ノーマン・トーマス (社会主義者) | |
| 1936 | アルフ・ランドン(共和党) ウィリアム・レムケ (アメリカ連合党) | ||
| 1940 | ウェンデル・ウィルキー(共和党) | ||
| 1944 | トーマス・デューイ(共和党) | ||
| 1948 | ハリー・トルーマン† (民主党) | ストローム・サーモンド (州権民主党) | |
| 1952 | ドワイト・アイゼンハワー(共和党) | アドレー・スティーブンソン(民主党) | |
| 1956 | |||
| 1960 | ジョン・ケネディ† (民主党) | リチャード・ニクソン(共和党) | |
| 1964 | リンドン・ジョンソン(民主党) | バリー・ゴールドウォーター(共和党) | |
| 1968 | ヒューバート・ハンフリー(民主党) ジョージ・ウォレス(アメリカ独立党) | ||
| 1972 | ジョージ・マクガバン(民主党) ジョン・シュミッツ(アメリカ独立党) | ||
| 1976 | ジミー・カーター(民主党) | ジェラルド・フォード(共和党) | |
| 1980 | ロナルド・レーガン(共和党) | ジョン・アンダーソン(独立) | |
| 1984 | ウォルター・モンデール(民主党) | ||
| 1988 | ジョージ・H・W・ブッシュ(共和党) | マイケル・デュカキス(民主党) | |
| 1992 | ビル・クリントン†(民主党) | ロス・ペロー(独立) | |
| 1996 | ボブ・ドール(共和党) ロス・ペロー(アメリカ改革党) | ||
| 2000 | ジョージ・W・ブッシュ‡(共和党) | アル・ゴア‡(民主党) ラルフ・ネーダー(アメリカ緑の党) パトリック・ブキャナン (アメリカ改革党) | |
| 2004 | ジョン・ケリー(民主党) | ||
- * 「その他の主な立候補者」は、1824年以降は一般投票総数の0.4%以上を得票した候補、1820年以前は5つ以上の選挙人投票を得た候補。
- †一般投票の50%未満の得票率で選出された大統領。
- ‡一般投票において対立候補より得票が少なかった大統領と、その対立候補。
- 注: ジョン・タイラー、ミラード・フィルモア、アンドリュー・ジョンソン、チェスター・アーサーおよびジェラルド・フォードは選挙で選ばれなかった大統領(副大統領からの昇格)。うち、フォードは副大統領選挙を経ていない(スピロ・アグニュー副大統領の辞職に伴う就任のため)。タイラーとジョンソンは、現職候補として再選に出馬しなかった。フィルモアは退任後の出馬(現職としての立候補ではない)。
投票数
| 2000 | |||
| 1996 | |||
| 1992 | |||
| 1988 | |||
| 1984 | |||
| 1980 | |||
| 1976 | |||
| 1972 | |||
| 1968 | |||
| 1964 | |||
出典: 連邦選挙委員会¹ 米国国勢調査局の報告には、選挙権取得年齢人口に18歳以上の人口すべてを含むことが注目されるべきである。その数は永住権をもつ者や重犯罪で服役中の囚人といった投票資格のない者をかなりの数含んでいるため、実際の有権者数は多少低くなる。1994年の永住権所持者はおよそ1300万人、1996年の重犯罪で服役中の囚人は約130万人だった。したがって、選挙権取得年齢人口の約7-10%に投票資格がないことが推測できる。
脚注
関連項目
外部リンク