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フキ


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フキ(蕗、苳、款冬、菜蕗、学名:Petasites japonicus)は、キク科フキ属多年草

特徴


日本原産で、北海道本州四国九州沖縄に分布している。北は樺太から、朝鮮半島中国大陸でも見られる。山では沢や斜面、河川の中洲や川岸、林の際などで多く見られる。郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖する。近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用される。また、幻覚作用の報告されているもある。北海道・足寄町螺湾川(らわんがわ)に沿って自生するラワンブキは高さ2~3mに達し、北海道遺産に指定されている。かつては高さ4mに及ぶものもあり、馬に乗ったままその下をくぐることもできたという。

秋田県にも2mほどにも伸びる秋田蕗があり、全国的にも有名である。江戸時代、秋田藩主の佐竹義和(義峯公とも)は江戸でこの傘の代わりにもなるフキの自慢をしたところ、他の藩主から信じてもらえなかった。そこで、藩主の名誉のために、領民は山野を捜索して一本の巨大フキを江戸に運び、藩主の名誉を回復したという。これにより、傘代わりにもなるこのフキの存在が国中に知られることとなった。葛飾北斎も『北斎漫画』に、フキの下で遊ぶ男たちを描いている。

こうした、茎が中空となる巨大な蕗は倍数体によるものである。

特に寒冷地では牧草地で大繁殖する。家畜が食べないので畜産農家からは嫌われているhttp://www.syngenta.co.jp/cgi-bin/support/zasso/zasso.cgi?article=zasso09

繁殖方法など


茎は地上には伸びず、地中で地下茎(生姜やアヤメのような根塊)となり横に伸びる。地下茎が地表に剥き出しになると光合成のため緑色に変色する。このため、ワサビと間違われて誤食される例があるが、地下茎は有毒のため注意が必要である。早春、葉の伸出より先に花茎が伸び出す。これを蕗の薹(フキノトウ)と呼んでいる。雌雄異花であり、雌花は受粉後、花茎を伸ばし、タンポポのような綿毛をつけた種子を飛ばす。開花時の草丈は5~10cmだが、結実時の草丈は80cmになるものもある。

近年は山野に自生する個体数が減少しつつある。里山でフキが群生している光景は自生では無く、人間の手によって管理されていることがある。

市場に野菜として出回るものは栽培品種が多い。主な品種としては、愛知早稲水フキがある。栽培種は一般的に、苦みが少なく調理し易い。水フキは大野市加賀市南部などでは「タニフタギ」とも呼ばれる。

山菜としてのフキ


独特の香りがあるふきのとうや葉柄、葉を食用とする。肝毒性が強いピロリジジンアルカロイドが含まれているため、灰汁抜きをする必要がある。 

ふきのとう
蕾の状態で採取され、天ぷら煮物味噌汁・ふきのとう味噌に調理して食べられる。一般的には花が咲いた状態のふきのとうを食べる事は避けられるが、細かく刻んで油味噌に絡める「ふきのとう味噌」などには利用可能。伸びたフキノトウも葉や花を取り除き、茎の部分を軽く灰汁抜きしたものを肉や刻んだ油揚げ糸コンニャクなどと一緒に煮付けても美味しい。フキの葉柄よりも柔らかく筋もあまり気にならないので、茹でた後でも硬ければ茎の皮を剥ぐ程度で良い。
葉柄
重曹木の灰などを入れた熱湯で灰汁(アク)を抜いて煮物や炒め物などにするか、生のまま塩や塩糠に漬け込んで保存し、調理前に煮てから流水で塩抜きしてから同様に煮物や炒め物にする。これだと春から夏に採取したものを冬の間にも利用できる。また、醤油と砂糖で濃い味の佃煮にしたものは「きゃらぶき」といい、これも保存食・常備菜となる。繊維質やミネラルが豊富で、昔は冬の野菜不足を補う一般的な山菜であった。現在はスーパーなどでも水煮のパックが年中販売されている。秋田フキなどの大型のフキは茎の中の空洞も大きいので、身欠きニシンや細切りにした薩摩揚げなどお好みで詰めものをして煮付けても良い。

葉も、茹でたものを流水に半日ほどさらしてアクを抜き、細かく刻んで佃煮にするなどして食用になる。

その他


季語
蕗の薹や蕗の芽・蕗の花は春、旬の蕗・蕗の葉・伽羅蕗・秋田蕗は夏の季語となる。
アンゼリカ
クリスタル・アンゼリカとしてケーキを飾るアンゼリカセリ科のハーブだが、コピー食品としてフキの砂糖煮が市販されている。
方言
ふきのとうを、青森の津軽弁では「ばっけ」、秋田弁では「ばっけ」「ばんけ」、山形の庄内弁では「ばんけ」、アイヌ語「マカヨ」と言う。また、アイヌ語でフキは「コロコニ」又は「コルコニ」と発音する。フキの葉の下に住む妖精の「コロポ(ボ)ックル」のコロはフキを示すと思われる。
伝説
ふきのとうに関する日本国外の伝説で、「その昔、雪は無色透明だった。色を欲した雪の妖精が花々に色を分けてほしいと尋ね回ったが、けんもほろろに断られ、途方に暮れてしまった。それを見かねたフキノトウが、自身の花の色である白色を雪に分けたので、それから雪は白色になった。それ以来、雪は全てを白で覆ってしまうが、色を分けてくれた恩義を感じてフキだけは遠慮して振り分ける(実際にはフキが雪から這い出すように咲くのだが、雪があたかも遠慮している様)ようになった。」という言い伝えがある。

画像



画像:Fuki leaf 20080513.JPG|フキの葉を上から見た写真
画像:フキの断面.JPG|フキの葉柄の断面
Image:Petasites japonicus Fuki Giant Butterbur01.jpg|堆積した落ち葉を突き破って顔を出すフキノトウ(食べ頃)。この状態で摘まんでみて柔らかければ雌株、硬ければ雄株。
Image:Petasites japonicus 001.jpg|少し伸びた状態(雄株)
Image:Petasites japonicus01.jpg|少し伸びた状態(雄株)
画像:フキノトウの雌株20080407.JPG|開花したての状態で、とうは伸びていない(雌株)
Image:Petasites japonicus Fuki Giant Butterbur04.JPG|沢沿いや湿った地面を好んで生えている
Image:Petasites japonicus Fuki Giant Butterbur03.jpg|小さな花のが集まっている。
画像:フキノトウ♂株.JPG|雄株の花を拡大したもの。開花し始めの状態で小さな花の先端にあるものは雄蕊。
画像:フキノトウ♀株.JPG|雌株の花を拡大したもの。肉眼では白い毛が出ているようにしか見えない。
画像:Fukinotou 20080509 Macro.JPG|フキノトウの綿毛と種(拡大)
画像:Fukinotou 20080509.JPG|フキノトウの綿毛

類似する植物


形態的によく似たものにキク科ツワブキ属の多年草ツワブキFarfugium japonicum)がある。葉が常緑で、深緑で厚みと艶があるほか、花が黄色く秋に咲くなど、生物学的には違いが大きいが、外見は似ている上、ツワブキも食用になる。また、キク科メタカラコウ属の多年草オタカラコウLigularia fischeri)などの葉も似ている。

関連項目


外部リンク



キク科
山菜
日本の植物相



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』