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ヘラジカ


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ヘラジカ(箆鹿、Alces alces)は、哺乳綱偶蹄目シカ科ヘラジカ属に分類されるシカ。本種のみでヘラジカ属を形成する。別名オオジカ

分布


left中国北東部、アメリカ合衆国北部、エストニアカナダスウェーデンノルウェーフィンランドラトビアリトアニアロシア 
ヨーロッパではエルク(elk,älg)と呼ばれ、北アメリカではムース(moose)と呼ばれる。ムースの語源はマリシート族Maliseet)の言語で同種を指すムス(mus)であるマリシート語の動物名(英文)。なお、北アメリカではシカ属アメリカアカシカ(ワピチ)がエルクと呼ばれている。

形態


体長240-310cm。肩高140-230cm。体重200-825kg。シカ科最大種であり、北方に生息する偶蹄類でも最大級の動物である。雄の成獣は箆のように平たい角を持つことが和名の由来。角は大きく最大で200cmを上回る。吻端は長くて太く、雄の咽頭部の皮膚は垂れ下がっている。これを肉垂という。

生態


針葉樹林と針葉樹と落葉樹の混合樹林に生息する。夏は単独もしくは数頭の群れで生活するが、冬になると10頭前後の群れを形成する。天敵としてはオオカミクズリトラヒグマ等が挙げられる。攻撃は前足や後ろ足を使った強力な蹴りで、角を使うことはあまりない。食性は草食性で、木のや樹皮、地面に落ちた種実類水草等を食べる。代表例としてはヤナギカバノキ

水場を好み、夏にはよく水場に来て、水中の水草を食べたり、泳いで体に付いた寄生虫を落としたりする。

人間との関係


ヨーロッパには、石器時代からヘラジカ猟が行われていたことを示す洞窟壁画が残っており、スウェーデンのエーランド島南部のアルビーAlby)付近では、紀元前6000年代頃の木の小屋の遺構からヘラジカの角が出土している。 北ヨーロッパでは、石器時代から19世紀まで地面に深い穴を掘ってヘラジカを追い落とす猟法が用いられていた。道路に飛び出し交通事故により命を落とすことがあり、しばしば深刻な人身事故にもつながる。特に夜道では、体色が黒っぽく、頭部が高い位置にあるためドライバーが気づくのが遅れることが多く、衝突すると車のバンパーが当たった衝撃で細い脚が折れ、巨大な胴体が上方から運転席を押しつぶす形で倒れてくるため、エアバッグが展開したとしても大した効果が望めない。このためスカンディナヴィアとドイツでは、自動車の開発にヘラジカとの衝突を想定したヘラジカテストを導入している。ヘラジカが多く生息する地域では、道路標識に本種が描かれて注意が促されている。カナダのニューブランズウィック州では、新しく敷設される高速道路でヘラジカとの衝突が頻発する部所にフェンスを設けてヘラジカの横断を防いでいる。

ロシアでは旧ソ連時代(1940年代)に人に慣れやすい個体を選択して繁殖することでヘラジカを家畜化する研究が始まり、ソ連崩壊後も継続している。商業的に成功しているとは言えないが、ヘラジカの生理学行動学、動物の家畜化の研究に貢献している。

日本で見られる動物園


いづれも一個体のみで、繁殖の見込みがない。

アメリカヘラジカ

シベリアヘラジカ

その他


ギャラリー



Image:Moose Skane Sweden.jpg
Image:Moose.jpg
Image:Poland Kampinos Alces alces 1.jpg|雌
Image:Élan RMNP.jpg|雌と仔
Image:Moose calf.jpg|幼獣
Image:Alces alces chrapy p.jpg|口吻
Image:Alces alces ears p.jpg|耳
Image:Hirvieläimiä 155.svg|フィンランドの道路標識
Image:Newfoundland Moose Sign.jpg|カナダの道路標識

参考文献


関連項目


へらしか
へらしか



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』