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仙台市地下鉄東西線


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東西線(とうざいせん)は、宮城県仙台市太白区動物公園駅(仮称)から同市若林区荒井駅(同)を結ぶ、仙台市交通局仙台市地下鉄)にとって2本目となる建設中の地下鉄路線である。正式名称は仙台市高速鉄道東西線(せんだいしこうそくてつどうとうざいせん)。2015年平成27年)開業予定。

経路は、市の南西から仙台市都心部を経由して市の南東へとほぼ東西に市を貫く。

路線データ


経緯


現在の地下鉄東西線建設計画は、仙台市都心部とその南西および南東の各地域を東西につなぐものである。主に仙台中町段丘長町-利府線・大年寺断層に沿う地形面区分図地震調査研究推進本部広瀬川河岸段丘)上の平地にある都心部に対し、南西部は広瀬川が形成した多数の河岸段丘および青葉山丘陵侵食して形成したV字谷により、標高差の大きい複雑な地形が広がり、さらに国の史跡である仙台城天然記念物「青葉山」を回避するよう道路が建設されたことからボトルネックが多数ある。一方の南東部は、大年寺山断層図1-4-1-1H10 宮城県:長町-利府線断層帯(稠密浅層ボーリング調査・地層抜き取り調査)2 既往調査成果の概要」)長町 - 利府線断層が南北に通り、その東側には地下水位が浅い沖積平野が広がるという、地下が複雑な地形であり、その上には奈良時代からある陸奥国分寺周辺地域、江戸時代若林城下町(後に仙台城下町と合一)とその郊外部、そして、昭和初期から開発が始まる広大な土地区画整理事業地域仙台市の土地区画整理事業(仙台市)土地区画整理事業地区位置図(平成21年9月現在)(仙台市)と、複雑な経緯で成立した市街地が広がり、特に旧若林城下町では下町特有の狭小路線・屈曲路が多い。そのため、南西・南東の両地域と都心部との間はラッシュ時渋滞が激しく、その改善は仙台市にとって長らく課題であった。東西線の構想は1970年代から検討されはじめた。しかし、当初は現在の計画とは異なっており、以下の3つの計画が並立していた。

すなわち、工業・流通団地が広がり、沿線の人口密度が低く、地下が複雑な南東部では地上の新交通システム、地上に路線を新設するには困難が多い都心部では国鉄(JR)および直通する地下鉄、標高差が大きい上に回避すべき保存地区が入り組む南西部には線形の自由度が高いモノレールや新交通システムなどの地上軌道を設置し、各々を接続する構想であった。上記の計画のうち、仙石線の地下化は連続立体交差事業として実施され、2000年(平成12年)に完成した(「仙台トンネル」、「あおば通駅#歴史」も参照)。

仙台駅 - 西公園間の地下鉄線整備については、地下化する仙石線をそのまま西公園まで延伸する案もあったが、当時の国鉄(後にJR東日本)の資金調達が困難だったことから、仙石線と直通する市営地下鉄新線を建設する案が模索された。また、1989年(平成元年)の政令指定都市移行の際に編入合併した旧宮城町や旧秋保町などの西部地域と、都心部との接続の高速化も迫られ、モノレール南西線計画においては、青葉山八木山茂庭台などを経由して旧宮城町に建設予定だった愛子副都心に至る路線構想も発表した。これは、仙台市地下鉄南北線泉中央駅延伸が政令市移行の際に合併した北部の旧泉市へのバーターであったのと同様、西部の旧2町へのバーターの面が強い。

しかし、モノレール南西線と地下鉄線の乗り換えの不便が予想されること、短い地下鉄線やそれに続くモノレール南西線では採算が見込めないことを理由として市は計画を再検討し、1991年(平成3年)3月には、当時の石井亨仙台市長が旧計画の断念を発表。新たに、都心の南東方向に延びる六丁の目新交通システム構想と連動した八木山 - 六丁の目間の東西交通軸を検討することを発表した。その後、石井がゼネコン汚職事件で逮捕され、藤井黎新市長が東西線計画を継承した。藤井の下で東西線計画は検討が進められ、東西線は仙石線と分離した完全な独立路線となることになり、西部の旧2町への路線区間は削減され、旧仙台市部分のみに計画路線長は短くなった。バブル崩壊があったとは言え、政令市移行間もない時期に西部旧2町との約束は反故となった。

1998年(平成10年)8月、市は具体的な東西線のルート案を公表した。路線延長の短縮で従来の計画からすると不利益を被ることになる地域の不満解消のため、1999年(平成11年)7月に市は「アクセス30分構想アクセス30分構想仙台市役所公共交通推進課)」を策定し、在来線への複数の請願駅の設置やオムニバスタウン事業によるバス交通の利便性向上など、JR・地下鉄・バスを含めた公共交通機関の総合的な利活用政策を進めることになる。2000年(平成12年)3月には東西線のルートが正式決定し、同時に鉄輪式リニアモーターカーを採用することも決定。同方式は1990年(平成2年)開通の大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線で導入されたばかりの新方式(ミニ地下鉄)であったが各地で導入が相次いでおり、また、表定速度が速いため「アクセス30分構想」を促進し、トンネル径が小さくて済むため建設費削減ができ、線形の自由度が高いため複雑な地形要素を克服できるなど東西線への導入利点が多かった。ただし、車両の規格が異なるため、仙台市地下鉄南北線及びJR各線との直通運転は不可能となった。

2005年(平成17年)の仙台市長選挙では、東西線の建設問題が争点となったが、勇退する藤井市政の継承と東西線の建設推進を公約とした梅原克彦が当選し、反対派や慎重派の候補は落選した。しかし、反対派と慎重派の候補の得票を合計すると、推進派の梅原の得票を超えていたため、「市民の判断は建設推進ではないのではないか?」との考えが現在に至るまで残っている。ただし、反対派と慎重派の候補が乱立して市民の意見集約ができなかった選挙戦略の稚拙さのため、選挙後は反対派・慎重派だった市民の注目は急速に衰え、東西線の建設は新市長の下で急速に推進された。

総事業費2735億、需要予測は11万8000人/日としている。運賃については南北線と一体の運賃体系となる予定である。ただし、初乗運賃を東西線開業時点で220円とするといった運賃改定が東西線事業の収支計画で想定されており、南北線を含めて現在の地下鉄運賃より割高な運賃設定になることが見込まれている。初期の計画では初乗運賃は260円と想定されていた。


ファイル:Sendaishi Chikatestu Tozai-Sen Hirosegawa Kyoryo Kensetsu Koji 2009.jpg|広瀬川の架橋工事(2009年3月)
ファイル:Sendaishi Chikatestu Tozai-Sen Sendai Eki Ko-ku .jpg.JPG|工事が着々と進む仙台駅工区(2009年4月)

建設への疑問および反対意見


市民の間には地下鉄東西線事業に対する疑問や反対意見がある。主に、杜の都・仙台の象徴であるケヤキ並木の一部伐採および、青葉山のオオタカ(準絶滅危惧種)の保護など環境に関するものと、建設費や維持費などの税金の使い道に関するもの、需要予測の正確性や費用対効果に関するものである。地下鉄ではなく建設費や運営費が地下鉄のそれらに比べて安いライトレールで東西交通軸を実現すればよいという意見もある。また、現在の日本の地下鉄建設において一般的なシールド工法を採用すればケヤキ並木を破壊せずに建設できるという意見もある。なお、青葉通りでは2008年(平成20年)1月28日から3月3日頃にかけてケヤキの伐採作業が施行された。

係争の経過


仙台都市圏総合都市交通協議会 平成17年7月7日 平成17年度第1回技術検討部会 討議資料の中から将来のトリップ予測の部分
平成15年9月に仙台市が予測した平成27年仙台都市圏の鉄道パーソントリップ数の調査結果422580トリップ/日(2015年東西線需要予測119116人/日の根拠となった)
仙台市民オンブズマンは東西線建設の差し止めを求めて訴訟を起こした。裁判の中では、費用対効果や需要予測が争点となった。仙台市は事業計画当初、費用便益比(費用対効果)を2.63としていたが、予測が過大であると国土交通省から指摘を受け、数値を1.62に修正して事業認可を受けた。しかしこの数値は国が鉄道を建設する際に比較検討するために用いるマニュアルを仙台市が改変して算出したもので、マニュアル通りだと算出される数値は1.09であった。一審の仙台地方裁判所は判決でオンブズマンの訴えを棄却したが、東西線事業の費用便益比は1.09だと認めた。オンブズマンは判決を不服として控訴した。二審では、パーソントリップ調査が争点となった。パーソントリップ調査は、交通モデルに基づき将来のトリップ数(人が移動する回数)を予測するもので、仙台市が主張する東西線の需要予測も1992年(平成4年)の第3回パーソントリップ調査が基となっている。2002年(平成14年)に行われた第4回仙台都市圏パーソントリップ調査(仙台都市圏20市町村:主体:宮城県・仙台市・国交省:国庫補助事業)では、4通りの予測が行われた。そのうち3つの予測はバス事業者や鉄道事業者への多額の補助金や高速道路の料金引き下げ、居住する地域の制限、採算性を考慮しないなど実現が難しい前提が多く設定されている。現実的な政策・施策を続けた場合の2015年(平成27年)時の鉄道トリップは35万7千人/日と予測とされ、結果として現況より5万8千人トリップ/日しか増えない。また、仙台市が東西線の需要予測の基とした第3回パーソントリップ調査による2015年(平成27年)時の鉄道のトリップ数42万3千/日と第4回パーソントリップ調査結果である鉄道トリップ数を比較すると短期間に鉄道需要が乱高下するという辻褄が合わない事態が発生している。市民オンブズマンは第4回パーソントリップを論拠とし、東西線の利用者数は1日当たり4万9千人から6万人であり、費用便益比は1を下回ると主張した。これに対し仙台市は、パーソントリップ調査から導き出された数値は参考値であり、それがそのまま需要予測になるわけではないと反論した。また、証人尋問では仙台市の交通政策課長が需要予測を検証しなおせば事業自体の見直しにつながると述べ、仙台市の需要予測の危うさを事実上認める証言をした。判決で仙台高等裁判所は、第4回パーソントリップ調査の優位性を一部認める一方で、仙台市の事業の手法に違法性があるとはいえないとして、オンブズマンの控訴を棄却した。費用便益比については、一審同様、市の主張を否定し、1.1であるとした。

仙台市民オンブズマンはさらに上告したが、最高裁判所はこれを受理せず、二審の判決が確定した。

東西線開通を前提とした主な沿線計画・構想など


東西線沿線まちづくりの基本方針

東西線沿線の事業計画・構想は、南北線建設の際とは様相が異なる。南北線は、仙台市と泉市(当時)の人口増・市街地拡大に伴う交通需要の増大へ対応するために計画・建設され、開業前後には政令指定都市化のために泉市との合併を行う際のバーターに用いられた(泉中央駅延伸)。また、バブル期に開業したため、都心部の地価高騰を緩和し、副都心形成(泉中央副都心長町副都心)に寄与した。需要喚起のため、駅前には市のホール・体育施設・再開発ビルなどがはりつけられた。すなわち、長年の革新市政によって、人口の割りに都市機能や施設の拡充がなされて来なかった仙台市にとって、大都市へ転換するための開発型地下鉄であった。

一方の東西線は、計画当初は南北線と同様な思想であったが、市街地の機能転換と人口減少時代・都市間競争の時代に対応した沿線計画・構想がなされている。東西線の経路は多くの高校・大学を繋ぐ形に計画され、他の既存交通機関とも接続するため、移動の高速化や自由度の拡大と宮城県の高校の「全県一学区構想」との関係で仙台の高校の学力向上・競争力向上とも関連している(→学都仙台)。また、東北大学の新キャンパス構想も東西線開通が前提であり、六丁の目駅周辺の工場と東北大学サイエンスパークとが繋がれることから、産学連携も期待されている。東北最大の流通地区である卸町駅周辺では、価格破壊によって「中抜き流通」が顕在化して機能低下したため、都心回帰に対応した住宅の供給や、長年、市がバックアップしてきた演劇のさらなる活性化の拠点にしようとし、市のキャッチコピーの一つである劇都仙台と関連している。また、国の減反政策に伴う農地の市街化(荒井駅周辺)、仙台の戦後処理と仙台城の公園化、仙台城・仙台駅・陸奥国分寺などが結ばれることによる観光路線の面など、人口増があまり期待できない時代に交流人口増大を狙った沿線計画も多い。都心では、都心の業務・商業における2つの極である仙台駅西口(仙台駅。東京資本が多い)と一番町国分町(一番町駅。地元資本が多い)を結び、また、区画の大小混在のために各種の業務機能集積と繁華街形成が始まっている仙台駅東口南東部(新寺駅)が結ばれ、都心の拡大と業務地の多様性増大が期待されている。東西線の経路における住宅地が、人口の少ない若林区の下町地区や山の上の太白区八木山などであるため、利用客の中心である通勤・通学客の見込みが少なく、また、商機能低下が著しいサンモール一番町に隣接して一番町駅ができるため、東西線は単なる商店街活性化策とも言われることが多いが、実際は仙台の機能転換や都市間競争における戦略と密接に関係している。

終点となる八木山は、動物園、遊園地、赤十字病院などの大型施設があるが、交通網は昭和40年代から変わっておらず、特に悪天候時は数キロ単位の渋滞が慢性化しており、週末には、近隣とは言えない住宅地まで路上駐車が加わる状況である。これらへのアクセス向上の効果も期待されている。

主な沿線開発計画・構想

  • 青葉山駅
  • 国際センター駅周辺
    • 追廻地区引揚者住宅地)の公園化
    • 追廻地区と仙台城天守台との間の観光客用昇降装置
    • 国際会議や学会に対応した仙台城二の丸(東北大学川内文系キャンパス)と仙台国際センターとの間の有機的結合
  • 一番町駅
    • 仙台市中央市場の再開発(頓挫)
  • 卸町駅
    • 卸町の流通・工業地区から市街地・住宅地へ用途変更。劇都仙台の拠点づくり。
  • 荒井駅
    • 荒井土地区画整理事業地区:農地から住宅地に用途変更。減反政策との関連。

歴史


  • 2003年(平成15年)9月 - 地下鉄東西線事業が許可される。
  • 2005年(平成17年)4月25日 - 地下鉄東西線の工事施行が許可される。
  • 2007年(平成19年)11月 - 地下鉄東西線本体工事が着工。

車両


開業時までに4両編成車両(将来5両編成化を予定)を21編成整備する予定http://www.city.sendai.jp/toshi/touzaisenchousei/gaiyou/pdf_tozai-qa/all.pdf

駅一覧


全駅宮城県仙台市に所在。

|-
|style="background:#9f9;"|荒井駅
|style="text-align:right;"|
|style="text-align:right;"| 13.9

駅名
駅間キロ
営業キロ
接続路線
所在地
動物公園駅
-
0.0
太白区
青葉山駅
2.1
2.1
青葉区
川内駅


国際センター駅
0.6

西公園駅


一番町駅


仙台駅


仙台市地下鉄:南北線
東日本旅客鉄道東北新幹線東北本線常磐線仙台空港アクセス線仙山線仙石線
新寺駅


若林区
連坊駅


薬師堂駅


卸町駅


六丁の目駅



  • 駅名は仙台駅を除きすべて仮称。
  • 背景がの駅はバス乗継指定駅となる予定。
  • 車両基地は荒井駅周辺に設置される。

脚注



関連項目


外部リンク




未 とうさいせん
未 とうさいせん
未 とうさいせん
未開業の鉄道



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